不動在庫(死蔵在庫)とは?

不動在庫とは、定められた期間、一般的な小売では多くの場合6か月、回転の遅い業種では12か月のあいだ、まったく売れていない、または倉庫から一度も出ていない商品のことです。売れていないのに仕入原価分の資金を棚に拘束し、倉庫のスペースを占有し、時間とともに価値が下がります。指標は不動在庫比率:不動在庫の金額 ÷ 在庫の総額 × 100です。40万₺の在庫のうち5万2,000₺分が6か月間動いていなければ、比率は13%です。

不動在庫は、たいてい1つの大きな判断ミスからではなく、小さく気づかれない過剰仕入れの積み重ねから生まれます。そのため、まず目に見える形にすることが最初の仕事です。どの商品が、何か月、いくら分あるのかを把握します。

不動在庫、低回転在庫、過剰在庫

この3つはよく混同されますが、対処法が異なります:

在庫の種類状況対処法
過剰在庫商品は売れているが、必要以上に手元にある次の発注を減らせば、在庫は自然に減ります
低回転在庫商品は売れているが、想定より頻度が低い発注数量と発注点を引き下げます
不動在庫基準期間のあいだ一度も売れていない発注はすでに止まっているので、棚にある商品を処分する必要があります

この区別は重要です。過剰在庫に使える「待てば売れる」という考え方は、不動在庫には通用しません。過剰在庫は時間とともに減りますが、不動在庫は時間とともに古くなるだけです。

不動在庫の見つけ方:5つのステップ

1. 基準期間を商品タイプ別に決める

不動在庫の期間は一律ではなく、商品本来の回転スピードによって基準が決まります。一般小売や文具では6か月、補修部品や家具のように回転の遅い業種では12か月まったく動きがないことが、よく使われる線引きです。賞味・使用期限のある商品では期間がはるかに短くなります。食品や化粧品が、棚持ちの期間の半分を動かずに過ごしたなら、すでに不動在庫の候補です。基準を一度決めたら、毎回の点検で同じものを使ってください。毎月変わる基準で作ったリストは比較できません。

2. 各商品の最終動きの日付を出す

見るべきは、商品が倉庫から最後に出たのがいつかです。販売、製造への払い出し、移動のいずれも含みます。入庫日は数えません。棚に新しい商品が追加されても、古い商品が売れたことにはならないからです。Excelで管理しているなら、動きの一覧から商品コードごとの最大の出庫日を取り出します。ソフトで管理しているなら、選んだ期間の売上レポートを出力し、一覧にまったく現れない商品を抜き出します。期間中に一度も売れなかった商品が、探しているリストです。

3. 数量ではなく原価額で並べる

リストを、手持ち数量 × 仕入原価で並べます。動いていないネジ300個と、動いていない発電機3台は、同じ問題ではありません。処分の作業は、最も多くの資金を拘束している品目から始めます。多くの倉庫では、リストの上位数点が不動在庫の金額の大部分を占めています。

4. 不動在庫比率を計算する

計算式:不動在庫の金額 ÷ 在庫の総額 × 100。在庫の総額が40万₺で、そのうち5万2,000₺分が6か月間動いていない事業者の不動在庫比率は13%です。この数字だけでは「良い」とも「悪い」とも言えません。意味が出るのは次回の点検のときです。比率を四半期ごとに同じ基準で計算して記録してください。下がっていれば処分が効いており、上がっていれば問題は仕入にあります。

5. 品目ごとに判断を書く

リストの各商品の横に、4つの判断のどれかを書きます:値引きして売る、回転の速い商品とセットにする、仕入先に返品する、または処分する。「様子を見る」は判断ではありません。待っている不動在庫は毎月少しずつ価値を失い、棚のスペースを占め続けます。判断が書かれなかった品目は、次のリストにもそのまま再登場します。

不動在庫をどう処分するか?

1. 値引き販売。最も早い方法です。価格を仕入原価より下げることをためらわないでください。棚にある商品の今日の価値は、仕入価格ではなく、今日手に入る価格です。原価割れの販売は帳簿上は損失に見えますが、拘束されていた資金を解放します。

2. セット販売。動かない商品を、よく売れる商品と一緒に売ります。お客様は、すでに購入する商品にわずかな追加料金で2つ目を購入します。不動在庫は、回転の速い商品の販売スピードを借りることになります。

3. 仕入先への返品または交換。仕入時に返品条件があれば利用します。なければ、新規発注と引き換えの交換を依頼します。未開封で包装が無傷の商品なら、値引きより損失が小さく済むことが多いです。

4. 卸売またはアウトレット販売。1点ずつでは処分できない品目を、まとめて安い価格で別の販売業者に譲渡します。棚のスペースも同じ日に空きます。

5. 廃棄処分。賞味・使用期限切れ、破損、流行遅れの商品に対する最後の選択肢です。寄付、スクラップ、廃棄の決定を文書化し、帳簿から除却する手続きは、会計士・税理士と一緒に行ってください。

なぜ不動在庫が生まれるのか?

ケース単位での発注。仕入先が48個入りのケースで販売していて、自社の販売は月に3個。発注するたびに1年分の在庫になります。発注数量は自社の販売スピードに合わせてください。基準値の計算は発注点とはのガイドにあります。

未検証の商品の大口発注。新商品を、売れ行きを見ないまま満量で仕入れます。当たらなければ、ロット全体が不動在庫になります。

記録の誤り。売れたのに記録されていない商品は、システム上では動いていないように見えます。リストに入った品目はすべて、棚で一度現物を確認してください。システムでは40個なのに棚には12個しかなければ、問題は不動在庫ではなく記録です。差異を見つける手順は倉庫の棚卸のやり方のガイドで解説しています。

同じ商品の二重登録。同じ商品が2つの異なるコードで登録されると、販売は一方に、在庫はもう一方に計上されます。2枚目のカードは常に動いていないように見えます。商品コードの整備は倉庫の在庫管理のガイドで解説しています。

ソフトでリストを出す

Excelで各商品の最終出庫日を調べるには、すべての動きを1つの一覧にまとめて管理しておく必要があります。ソフトを使っていれば、この一覧はすでに蓄積されています。Ofisx 在庫管理では、レポートの「売れ筋商品」レポートを直近6か月または12か月で開き、商品リストと照合します。一覧の最下位にある商品と、一覧に見つからない商品が、不動在庫の候補です。各候補は商品の動きの履歴で確認してください。最終出庫日がそこに表示されます。商品リストをExcelにエクスポートして、候補を原価額で並べ替えることもできます。ソフトに独立した「不動在庫レポート」画面はなく、これらの情報源を照合することでリストを作ります。倉庫でスマートフォンを使って作業する場合は、モバイル版とWeb版が同じデータを共有します。

不動在庫を整理したら、在庫回転率をもう一度計算し直しましょう。動かない品目を除くと、倉庫の残りの部分が実際にどれだけの速さで回っているかが見えてきます。

よくある質問

不動在庫と低回転在庫の違いは何ですか?

低回転在庫は売れてはいるものの、想定より頻度が低い在庫です。一方、不動在庫は設定した期間中に一度も売れていない在庫を指します。低回転品は、発注数量と安全在庫(最低在庫)レベルを引き下げて調整します。不動在庫の場合、発注はすでに止まっています。問題は棚にある現物で、これを売り減らしていく必要があります。

不動在庫は事業にどれくらいのコストをもたらしますか?

4つあります。棚に寝かせたままの資金(その資金で回転の速い商品を仕入れられたはずです)、占有している保管スペース、時間の経過による劣化や賞味・使用期限切れ、そして棚卸に費やす手間です。中でも最初のものが最大で、しかも目に見えません。不動在庫は会計上は依然として資産として計上されますが、現金化されない限り、事業には何の収益ももたらしません。

不動在庫は何か月たてば損失として処理できますか?

一律の期間はなく、判断は税法の規定によります。価値が下がった商品や廃棄した商品を帳簿からどう除くか、必要な書類や記録については、税理士・会計士にご相談ください。このガイドでは在庫の特定と売り減らしの方法を扱っており、会計処理は別の事柄です。

不動在庫は回転率にどう影響しますか?

押し下げます。不動在庫は平均在庫額には含まれる一方で、売上原価にはまったく加わらないため、回転率の計算式の分母を膨らませてしまいます。倉庫のほかの部分が順調に回っていても、全体の在庫回転率は低く出ます。不動在庫を除いてから回転率を計算し直すと、実態が見えてきます。

不動在庫を仕入先に返品できますか?

仕入れの際に返品や交換の条件を取り決めていれば可能です。売れ残った商品を新規注文と引き換えることに応じる仕入先もあります。条件がなければ交渉次第です。そのため、新しい商品を初めて仕入れるときは少量から始め、返品条件を最初に話し合っておくことが、不動在庫を防ぐ最も低コストな対策です。

不動在庫はどうすれば防げますか?

3つの習慣で防げます。新商品は少量で試すこと、発注数量は仕入先のケース入数ではなく自社の販売ペースで決めること、そして不動在庫リストを四半期ごとに同じ基準で作成することです。リストを定期的に出すだけでも効果があります。動かない商品が2年後ではなく、数か月のうちに見つかるからです。

最終更新: 2026-09-21

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